江の島
江の島の五頭龍伝説は、1047年に比叡山延暦寺の皇慶が著したと言われる、江の島の創生伝説「江嶋縁起」に記された伝説。
五頭龍
今から約1500年前、鎌倉には周囲40里(約150km)の湖があり、五つの頭を持つ五頭龍(ごずりゅう)が住んでいた。この龍は、山崩れをおこしたり、火の雨を降らしたり、人々を困らせていた。
天女降臨
そんな時、黒い雲が空を多い、地震が続き、海には、火柱とともに岩が空まで噴き上げられ、小さな島(江の島)ができた。この島に、天から姫(弁財天)が舞い降りた。
五頭龍の恋
それを見ていた五頭龍は、姫に恋をし、妻にしたいと申し出た。姫は、龍のこれまでの悪事を非難し断ったが、龍はこれまでの悪事を懺悔し、これからは村を守ると約束をした。姫は五頭龍のその言葉を信じ、妻となった。
献身
龍は村を守る約束を身を削りながら守り続けた。干ばつの時には雨を降らせ、台風を跳ね返し、津波を体で防ぎ、その度に龍は衰えていった。
龍の最期
そして、命が尽きようとしていたとき、龍は姫に向かって「これからは山となり、この地をお守りいたします」と涙ながらに言い残し、対岸へと向かって山となった(現:片瀬山)。村人たちは山となった龍の頭の位置に社(
龍口明神社*西鎌倉に移転)を建てた。
関連情報
龍口明神社
玉依姫(たまよりびめ)と五頭龍(ごずりゅう)を祀る神社。鎌倉に現存する神社では最古のものと言われる。現在は西鎌倉に移転。
龍口寺
片瀬山にある寺院。村人を守るため山となった龍の頭部にあたる場所が片瀬山。そのため片瀬山は龍口山とも言われる。また日蓮が処刑されそうになった龍ノ口法難の舞台でもある。