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京都五山と鎌倉五山とは?

禅宗の五山制度について解説します。 更新日:2015年10月12日

日本の禅宗の始まり

南宋で繁栄していた禅宗を学ぶため、日本の僧・栄西(臨済宗の開祖)が留学し1191年に帰国。その後日本でも隆盛を極めた。

南宋で繁栄していた禅宗を学ぶため、日本の僧・栄西(臨済宗の開祖)が留学し1191年に帰国。その後日本でも隆盛を極めた。

聖福寺(博多)

栄西が1195年に創建した日本最初の禅寺。

建仁寺(京都)

1202年創建された日本で二番目の禅寺。鎌倉幕府第2代将軍・源頼家が開基(創立)、栄西が開山(初代住職)。

五山制度

五山制度とは、主に禅宗の臨済宗における寺格(寺院の格付け)。
鎌倉幕府五代執権・北条時頼の頃(在職期間 1246年~1256年)、中国の五山制を参考に導入された。
鎌倉時代の末期になると幕府により大規模な官寺が建立されていき、幕府の権威に宗教的な力が付け加えられていった。
寺院や順位は時代により変わりながらも、室町時代初期には鎌倉と京都にそれぞれ五山が設けられた。
現在の京都五山・鎌倉五山の順位は1386年に室町幕府三代将軍・足利義満の時に決められたもの。
五山の下にはさらに十刹、諸山、林下の寺格があります。

京都五山

【別格】 南禅寺 【別格】 南禅寺

紅葉の名所で知られる南禅寺。1291年に亀山法皇が無関普門禅師を迎え創建された寺院。京都・鎌倉五山より上位の別格の称号が与えられています。

【一位】 天龍寺 【一位】 天龍寺

後醍醐天皇の菩提を弔う為に足利尊氏が建立した禅寺。開山は夢窓疎石。

【二位】 相国寺 【二位】 相国寺

開基(創立者)は室町幕府三代将軍・足利義満、開山(初代住職)は夢窓疎石。現在見られる法堂は日本最古の法堂建築として1605年に再建(豊臣秀頼の寄進による)された物。金閣寺や銀閣寺は相国寺の塔頭寺院である。

【三位】 建仁寺 【三位】 建仁寺

1202年に創建された京都最初の禅寺。鎌倉幕府第2代将軍の源頼家が開基(創立)、栄西が開山(初代住職)した。

【四位】 東福寺 【四位】 東福寺

1237年に摂政・九条道家は、巨大な釈迦像を安置する為の、大寺院を建立する事を発願し、奈良県の東大寺と、興福寺から一文字ずつを取り入れ、東福寺と命名された。紅葉の名所としても有名。

【五位】 万寿寺

東福寺の塔頭寺院。現在は非公開のため拝観不可。

鎌倉五山

【一位】 建長寺 【一位】 建長寺

鎌倉時代の1253年(建長5年)に鎌倉幕府第5代執権の北条時頼よって創建された禅宗寺院。開山(初代住職)は南宋の禅・僧蘭渓道隆(らんけい どうりゅう)。 けんちん汁の発祥 建長寺を開山した蘭渓道隆が、野菜の皮やヘタを無駄にしないように発案した「建長汁」が訛って「けんちん汁」と言われるようになった。

【二位】 円覚寺 【二位】 円覚寺

1282年、北条時宗が元寇(蒙古襲来)の日本とモンゴル双方の戦没者追悼のため中国より無学祖元禅師を招いて創建した禅寺。時宗は34歳で病死(結核とも心臓病とも言われる)しこの円覚寺に葬られました。

【三位】 寿福寺 【三位】 寿福寺

源頼朝が没した翌年の1200年に妻・北条政子が創建した寺院。

【四位】 浄智寺 【四位】 浄智寺

鎌倉幕府八代執権の北条時宗が、弟の北条宗政(-むねまさ)の菩提を弔うために、1283年に創建した寺院。夢窓疎石(1275~1351)などの名僧も住職となり、鎌倉・室町時代に栄えかつては総人員は500人に及ぶ大寺院であった。

【五位】 浄妙寺 【五位】 浄妙寺

源頼朝の重臣である足利義兼(-よしかね)が1188年に開基(創立者)、開山(初代住持)は退耕行勇。かつては広大な寺地を有していた。